■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

01.02:再び「建築と社会」誌「建築の眼」よりです。

ブランクの挿入 

人の脳(頭)には許容量があり、それを越えるといくら詰め込んでもその分何かが出ていくのだそうだ。 私はその話しを結構信じている。 そしてどうやらもう既にその許容量に達してしまったらしい。

西欧古典建築、アメリカの摩天楼、イソザキ、ベルニーニ、鉄筋のかぶり厚、マンセル、障害者用の便房の寸法、冷媒配管、色温度、珪藻土、2R+T=630,などなど、いろんなものがそれなりに入ってはいるものの、まだまだ十分とは言えず、それがもう終わりかと思うと少々情けない気もするが、それなら何を捨て、何を入れたらいいのだろう。

いい建物を構想し、創り上げるためには、どうも建築のことばかりではいけないようだ。 社会、経済、芸術、いやいや趣味の範疇も含めて、要は中身のバランスが問題なのだろう。

先日ワープロをやってて不意に気がついた。 どうも読みにくいと思っていたら文章を詰めすぎていたのだ。
頭の中も詰めすぎてはいけない。 改行やブランクを挿入することで、風通しが良くなり、中に残っている知識などが生き生きとしてくるかも知れない。

今年も早、一月が経ちました。 みなさんのキャパは大きいとは思いますが、たまにはブランクを挿入するのもいいかもしれませんよ。

「建築と社会」 1999.12号 一部修正

01.02.05