■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

01.06:ちょっとした草稿です。

品の良さ

「品の良さ」とは抑制された表現の中にあっても、個性にあふれ、しっかりと強く存在感を主張する事を言います。

決して過剰、饒舌ではなく、落ち着いた、何気ない佇まいでありながら、遠くから徐々にその存在感を訴えてくる、そのような状態の形容で使っており、自分が設計した建物はそうありたいと願っています。

建築は総合芸術とも言われるようにその表現要素は実に多岐にわたるのですが、私は形態、素材、空間という三つの要素にまとめられると思います。 そしてそれぞれの表現に置いて「品の良さ」はついて廻ります。

斬新な形、新しい素材、体験したことのない空間、それらを我々は追い求めるのですが、その出来上がりが下品ではいけません。
いくら斬新で、新しい建築のあり方を提示しても、実際出きるものが化粧だけの建築では上品といえないでしょう。(バブル期の建物を思い起こしてください)

結局、内側から滲み出てくる表現が無ければ「品の良さ」は備わらないと言うことだと思います。

何もことさらがなりたてなくて良い、そこに控えめに在ればよい。
そう思っています。

01.06.01