■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

02.07:いま流行りなんでしょうか

屋上庭園

ワールドカップのおかげもあるのですが、先月関西在住の外国の方と会う機会があり楽しい一時を過ごしたのですが、返答に困った同じ質問がありました。
「なぜ日本ではビルの屋上に木を植えないのか?(ガーデニングしないのか)
大阪はあまりにも殺風景で潤いがない。私のナイススポットは難波OCATだ」
との仰せでした。(その方によると中之島などの川沿いは浮浪者が多くとても快適な場所とは言えないとのことでした)

昨今ビルの屋上、あるいは住宅の屋根に緑を植える事例が増えてきているようです。
それは個人の趣味のレベルから地球温暖化からくる問題意識まで幅広い動機があるようですが、石原知事による東京都条例、京都議定書の策定、小泉首相の地球温暖化対策の法文化発言など行政も後押ししており、この動きは大いに気になるところでありますが、屋上緑化は果たして根付いて行くのでしょうか?

確かに今私のデスクから見える廻りの建物の屋根がほとんどが緑に覆われていたらと考えれば楽しくなってきますが、反面いくら緑化用の防水システムが開発されようと屋根防水やメンテを考えれば消極的になってしまいます。

こんな考えはお叱りを受けるかも知れませんが、緑が有効であるのなら、もっともっと道路に緑を植えれば良いんじゃないかと思います。
都市の問題として公園緑地の確保が限界としても、建築レベルに及ぶ前に土木レベル、つまり高速道路や橋梁、人工地盤などにまず眼を向けるべきではないかと。

緑に埋もれる建築も魅力ではありますが、形態、かたちという主題が実り多い建築の歴史を造ってきた一面もあると思われ、建物は緑で覆うべしと言う前に別の答えを見つけたい、そして外国の方にもきちんと説明できるようにしたい、そのように思った一時でもありました。

02.07.01