■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

03.12:今年もラストですね

刺激的な話

今年も早師走に入り、いつもながら時の流れの速さに戸惑うばかりです。
今年もそれなりにありましたが、非常に印象的な二つの話が思い浮かびます。
いずれも先輩の話なんですが相変わらずエネルギッシュと言うか、思わず「えっ?」と思わせる内容で大いに刺激を受けたのです。

その1:H氏の場合
仕事をしてすぐの上司で、当時新米の私に建築のことはもちろん、広く世界に目を向けることを教えてくれた方です。その方が退職されて建築設計と言うより、画家として独立され、一連の創作活動でいろんなコンクールに入選され、銀座で個展まで開かれるようになり、いつもいつも感心して案内を見ていたのです。
しばらくご無沙汰だったんですがある日メールが届きまして、イギリスにいるとのこと。いつものようにバカンスとばかり思っていたんですが読むと少しニュアンスが違うのです。そうです、引っ越されたのです。自ら設計され、「渡辺篤の建物探訪」でも紹介されたユニークな自邸を東京に建てられたのでてっきり腰を落ち着けられるものとばかり思っていましたがさにあらず。
向こうでデザインオフィスを始めるとのことでご家族4人共々日本を離れられました。
少々ショックでした。

その2:S氏の場合
学校の先輩に当たり直接のつきあいは無いのですが組織事務所の中でも一番アトリエの良さを残すS建築研究所から独立され、関西で住宅を含めて丁寧に密度の濃い作品を造っておられ、一度ゆっくりお話を聞きたいと思う方なんですが、ある集まりの近況報告の中で「いま、週の半分程度東京に通って博士論文を書いてます」とあるのです。
えーっ!と思わず叫んでしまいました。設計事務所をやり、大学の先生もやり、その中で博士論文とは。
こちらも何かパンチを食らったような、そんな驚きでした。

お二人とも失礼ながら一般的には定年、引退と言ったお年なんですがなんのなんの。
やはり凄い人がいっぱいいるなぁと、爽やかで心地よい刺激を受けた話でした。

03.12.01