■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

04.11:リフォームの物件から

築40年

「カニがいやという程食える」の一言に釣られて遠方だけど友人宅のリフォームに引っ張り込まれました。既に工務店も入っておりそこで図面も引くので私はイメージやラフプランを示して後はチームでやって行く体制でと。しかししかし進めて行く中普通の事を言ってるだけなのにその工務店が逃げ出し急にこちらに実施まで廻って来るし、未知の土地での工務店探しなど予想外の展開でもたついている内に大雨の被害に遭い。そんなこんなの紆余屈折の物件が先日やっと竣工致しました。そしてその建物がRCの築40年でした。

元々ご両親の住まいだったので、当初は友人も私もいわゆる内装、床のシートを張り替えたり、壁や天井のクロスを張ったり、水回りの改修がコスト的にも最大の負担要素だろうと進めて来たのですが、RCでも築40年の建物とは厄介なもの、躯体、外装、めくって見るまで分からない要素に本当に苦労しました。

40年と言えば人間でも男なら厄年でそれなりにガタが来てる年ですが、建物でも同じなんだなと、何だか自分の身体とだぶる感じで複雑な思いですが、多分当初の設計者や施工者ももっといつまでも丈夫なままでと思っていたはずなんです。
我がオフィスも実は築40年の建物で、今年は台風が多くその雨で思ってもみない所から雨漏りがしたり、それがきっかけで見て回ると雨漏りの兆候などあるわあるわ。建物ってこんなものかと思ってしまいました。

40年でそう言う状態をどう評価するか? その状態が直接伝わらないとは思いますが、あくまで一般論の経年変化、劣化としても、不動産、固定資産などと言う言葉のイメージとはちょっと違うような気がしました。
今回の経験ではその逆で建物とは帳面で言う「固定資産」を「修繕費」でメンテして行くのではなく、「流動資産」を修繕、メンテして長く使っていくもの、その捉え方の方が正確ではないかと思ったのです。最初から流動的なものという認識なら長く使うためのメンテの意識も高まるのではないか、そんな気がしたのです。
しかしそれは逆に今現実に使っている仕様書の限界も見たようで、ちょっとため息ではありますが。

しかし年代の古い建物ってそれなりの良さもありますね、階高が高いですね。
今回のリフォームプランも要はこの高さをどう生かすのかがテーマでした。
経過はともかく結果は上々。終わり良ければすべて良し。
どうでしょうかクライアント様?

04.11.02