■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board(メンテでしばらく休みます)

06.02:別に大それた事を書くつもりはありませんが最近思う事を少しばかり。

建築家

最近テレビ、雑誌、新聞でよく「建築家」と言う言葉を見たり聞いたりします。特に著名な方々の影響というより、戸建住宅やデザイナーズマンションなどのブームがまだ続いているのでしょうか、かく言う私もこう紹介される時があり、その時は大変気恥ずかしく居心地が悪い、と言うのが正直なところです。

一般の人にとって建築家とはどんなイメージなんでしょうか?クライアントからの設計条件を元に単に綺麗に格好よくデザインするだけでは設計士やデザイナーで建築家ではありません。多くの建築家に溢れる昨今の状況は建築家も全く一商品になってしまった印象で、このままでは私が憧れ目指すものがあまりにも矮小化されていくようで大変気掛かりです。

よく言われるように建築家は独自の信条を持っています。その時代、その社会の的確な理解のもと、我々はこう在りたい、こう在るべきだと言うような一種の世界観とでも言えるかもしれません。個々の課題をクリアする事はもちろんその背後に潜む時代の、社会の課題に対して応答していく、そう言う姿勢が大前提なんだろうと思います。
その不断の努力が彼の作品に社会に対する説得力や経済主義の中で立ち廻れる力を与え、さらには崇高さまでに到達させるのです。

明らかにそんな一人であるルイス・カーンの映画が東京で始まったらしい。タイトルは「マイ・アーキテクト」 で彼の息子さんが内なる父を探し求めるためにいろんな建物を巡るストーリーだそうだ。自分自身が早く見たいのと同時に多くの一般の方にこの映画を見ていただき、是非とも建築、そして建築家の崇高な姿に触れて欲しいと切に思うきょうこの頃です。

06.02.05
06.09.01一部修正