■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board(メンテでしばらく休みます)

06.04:東京は桜満開でした

表参道ウオーク3

いろんなメデイアで竣工が騒がれるし前回部分的に見えたガラスのファサードが気になりやはり行かずばなるまい、という事で見てきました。
表参道ヒルズ。桜満開の日曜日、ニュースで見た通り開演11:00前には入口には満員の人が並んでました。

 
街路面のファサード  内部吹抜け空間 

入場をしばし遅らせ廻りをぐるぐる。裏に廻ったり向うへ渡ったり。旧同潤会建物を知ってる者からは表参道駅から初めて視界に入った時に感じた違和感は結局拭いきれず「えっ、こんなんになっちゃったの?」

記憶もそう定かではないが、ケヤキ並木と連続してヒダに溢れ奥行きを持った堂々とした環境が全く単調で薄っぺらな建物に置き換わってしまっていた。このプロジェクトをよく知ってる訳じゃないけれどアンドーさんならもっと表から裏へ、下から上へ、迷路のように重なり複層化されたパスと言うか路地のようなものが交錯するような計画だと思っていただけに、全く違って警備員に固められた入口一つ出口少しの管理された運営によけい薄っぺらさを感じてしまい正直がっかりしてしまった。

頃合いを見計らって中へ入ってみる。なるほどこの重層化されたショッピングセンターを造りたかったのか。表参道の坂道よろしく向うとこっちのレベルをスロープや階段で巧みに操作した縦の空間はやはり素晴らしいとは思うが、表参道並木道から隔離された空間には何故と思わざるを得ない。
この建物なら別の場所にあってもいいのでは?と思ってしまう。

ノスタルジアかもしれないけど無くしてはいけないものを無くしてしまった感じである。結局は自然、建物、街、人が一体となった環境が、新しい一つの魅力的な商業ビルに生まれ替わったことになろうが、その帳尻はどう考えてもマイナスと思わざるを得ない。残念なものを見てしまった。

06.04.03