■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board(メンテでしばらく休みます)

06.06:サンケイ抄06.03.01

新聞より

みなさんは新聞をよく読まれますか?
恥ずかしながら私はほとんど流し読みで興味を引く見出しの部分だけ拾い読みするタイプで、今は近づくワールドカップ関連の記事に目が止まるんですが、以前の記事の一文が妙に気になり書き留めていました。
それはコラムニスト中野翠氏が故福田慎存(?すみません漢字には自信無いです)氏の言葉を引用したものらしく、私はご両人とも全く知らないのですが何故か目に留まったのです。

「一時代、一民族の生き方が一つの型に結集する処に一つの文化が生まれる。その同じものが個人に現れる時、人はそれを教養と称する。」

そしてこう続きます。

「箸の上げ下ろし一つ取っても”教養”というものなのだ。その人が何を恥ずかしいと感じ、何を美しいと思い、何を大切と考えるか。そう言う総体が”教養”なのだ。」

何とも格調高い言い回しに聞こえました。
教養、それは知識からではなく個人の感性から生まれるものだと。それなら建築も同じではなかろうか。
しかし感性となると、自らを振り返ってもどうしてもある型にはまるのを嫌がってしまう。教養の前に個性を望むためだろうか、人と同じでは嫌なのである。ただ独りよがりではいけないのだとこの人は言ってるのだろう。
昨今は「その箸の持ち方はどうだろうか?」(箸だけに限りませんが)と疑問に思う場面が多々ありますが、ひょっとしたらそんな中からも新しい教養、文化が生まれてきているのでしょう。
独りよがりでない教養豊かな建築、それも新しいものを見分ける眼を持つ常にフレッシュな教養でありたいと思います。

06.06.01
06.06.08一部修正