■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board(メンテでしばらく休みます)

06.09:今更ながら、ですが。

CADに思う

もう当たり前の事ですが、建築の設計において、特に構造や設備のエンジニアリングに限らずCADを利用している事務所はいまやほぼ100%であろう。
かく言う弊社も最近になってやっと成果品は全てCADになりました。しかし当初から、そして最近特に思うのですが、設計において、特に検討して練り上げて行く過程においてはCADは全くもって使いにくい、いや適さないと思っており、その感を強くしました。思考が停止するのです。

世代論は確かにあるのでしょう、CADで考えCADで確認しそのまま成果に繋げ、それが普通でやりやすい、そう言う人たちがいるのは聞いてはいます。しかし本当にそうだろうか?と思うようになりました。
私の場合メール等でCAD図をやり取りしながら進める中で、恥ずかしながら図面を一瞥しただけでは欠点が見えなかったり、部分的におかしな所が見えてもそれをその場ですぐに修正、あるいは線を重ねて推敲して行く事ができない故か、そのまま残ってしまう怖い経験を幾度か味わいました。

上手く言えないのですが、要は途中の状態を記述できないと言うか、常に完成形で書かれてしまい、あるいはそう見え、それが問題点を隠し、その部分の考察、洗練を妨げているような気がするのです。前回と同じであればそう問題は無いのでしょうが、考えて考えて思考を重ねて行く感じが無くて、その都度深く考えないで完成させてしまうような、そんな風に感じてどうも具合が悪いのです。

手が動かないのは頭も動いていない、つまりその部分が考えられずそこから先へ行けない。思い起こせば昔から言われて来た事で、今まで個人差としてしょうがないと思ってきましたが、今はこれは事務所の問題として実感しており、やっぱり手書きに戻そうかなどもと思う今日この頃なのであります。

06.09.01