■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board(メンテでしばらく休みます)

06.11:大変遅くなりました、スミマセン。

図面の質

設計事務所であれば自社の図面の質が気にかかるのは当然であろう。
良いものを造るために細かなところまで、かつ美しく書き上げたい。弊社でも常日頃そう思うところだ。
しかし実施設計の場合、多くはいかに効率よく過不足無くまとめるのかと言う点により気を遣ってるのが現実ではないだろうか。
弊社の図面も建物全体を主たる工事別に分けて書くという一般通例の状態でありそれは先輩から「見積もり作業を念頭においたまとめ方である」と昔聞いた覚えがある。
一つの建築物がいったいいくら掛かるのか。図面で数量を積算し値入れし見積もるのだが、その作業が工事種目別になるのでそれに対応するのが今の一般標準と言う事になるのであろう。
しかしそれは建築の素人の人にはその建物をイメージするのに誠に見にくいものらしい。いや時には我々にとってもそうなのだ。
その室の展開図に扉や家具を書けばそれなりに分かる所を、効率の点やだぶらないと言う意識から、扉は建具表、家具は家具図、という具合に別々に見ないと分からなかったり、洗面器や蛇口などはその姿形が出てくるまで結構な労を強いられる。全てとまで言わないにしても多くが工事別に細目まで解体されておりそれらが合わさったトータルなイメージができないのだ。
それでクライアントにはプレゼン用に別の図面を作成するのだがそれが妙に気になっていた。プレゼンも含めた図面一式が本来の姿ではないかと。
美しく仕上がった矩計図で全体のイメージが伝わってくれば積算するにしてもやりやすいのではないか。照明なども写真を添付する方が分かり易いし間違いが少ないのではないか。模型写真も貼付けたほうが・・・などなど。
現実は与えられた時間内での格闘になるので手間が増えるのは歓迎しないが、徐々にでも工夫をしていきたいところで、この辺りは若い感性からの切り口が欲しい所でもある。

06.11.08