■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。 

07.02:新年明けてはや1ヶ月、みなさまはもう落ち着かれましたか?

ショットとシークエンス

以前にも書いたが、建築設計においてどこで全体を考えれば良いのかについて常日頃考えるようにしています。建物の一部分であってもそれを全体と考えたり、1個の建物であっても部分と考えて街並に繋げようとしたり。
そんな中で主に内部空間を考える時は「ショット」と「シークエンス 」という言葉を手がかりにしています。
定義付けとなれば話は難しくなるのでここでは平たく捉えていただいて、結局各ショットを連続させて全体としてシークエンスを成立させたいと、そう思って設計をやっています。
一つの建物には実際いろんな場所やスペースが含まれており、その要所要所で印象的な視覚体験や空間体験が可能となり、更には一通り建物を巡れば、それらが一繋がりに連続したシークエンスとして全体を感じられる、そんな建物を設計したいのです。
名建築の多くはやはりそうなってると思います。またそれがモダニズム建築が獲得した最大の成果ではないかと個人的には思ってます。
しかしシークエンスにまで繋げるのがなかなか難しい。雑誌にいくつか素晴らしい写真が載ってる建物でも実際見に行けばガッカリする、それは部分的なショットしか持ち得てないからでしょう。トータルな全体がやはり問題なのです。
制約の多い毎日の仕事の中で、何とかいろんなショットが連続していくよう悪戦苦闘している、年明けは恥ずかしながら何だかそんなひと月でした。

07.02.02