■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。 

08.02:何やら細々と窮屈そうです

新建築士

ご存知のように姉歯事件が引金になった「建築基準法」の改正。その混乱がまだ治まらない中、今度はもう一つの柱「建築士法」の改正内容が公表されたらしく、その概要が日経アーキのトップ特集記事に出ていた。
全く持って人事でない事柄なので急いでチェックしようと読み始めたのだが、数ページで気持ちが重く落込み、とても先を読む気力を無くしてしまった。

ベースにある考えは建築士のレベルアプだそうで、もちろん全く異論はない。
だが具体的には要は定期講習で、3年ごとに建築士はその講習を受ける義務を負い、その修了考査に合格しないといけないらしい。
またその講習および考査は国交省ではなく「登録講習機関」が実施するらしく、要件を満たせば民間のいろいろな団体や会社がその役を担えると言う。
しかも、その各登録講習機関が独自の講習や考査を行えば良く、建築士もどの機関の講習を受けても良いらしい。

何だか、あれれ、と思ってしまう。
先生方が議論を重ねて練上げた結果なので、ベストな内容なんでしょうが、どうもイージーな気がしてなりません。
民間の論理で多くの受講生つまり受講料を集めようとすればハードルを低くした考査を行えばよく、そこがどうなるのか、誰もが疑問に思うのでは、と何だか疲れてしまうのです。

一方、専門エンジニアとして構造建築士、設備建築士が制度化されるようだ。
これは個人的には歓迎である。ここまでそれぞれのエンジニアリングの重要性が高まる中、制度化される事で着実に全体のレベルアップに繋げたいところだ。
ここにもいろいろなハードルが推測されるが、何とか多くの構造設備の認定建築士が、特に大組織以外に、生まれる事を期待したい。そこから改めて良きコラボレーションをお願いしたいと思うのだ。

改正はまだその他の項目に及びますが、全てが窮屈になって、何だかがんじがらめにされていく、と言うのが正直な感想です。
今までの慣例で改めるべき部分が確かに多くある事も判明したけれど、これでますます建築が面白くなくなる、魅力的でなくなる、そんな風に思えてなりません。
私はどうやら新建築士になれないかも。いやなりたくないような・・・

08.02.04
08.02.06一部修正