■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。 

09.03:やっと出ました

告示15号

このタイトルだけでどういう内容かが分かる方はかなりの建築通です。
告示15号とは我々建築設計事務所の設計監理料の標準が定められたものです。 ご存知でしたか?
弁護士さんらの報酬規定などと同じように建築設計界にもこういう基準があるのです。以前から告示1206号として存在していましたが、建築界一連の法改正で見直され、新たに告示15号として本年2009.01.07に制定施行されました。
さて、それでどうなったか・・・設計料が上がりました!
もう少し正確に言いますと、業務の内容と責任の範囲がより明確にされ、我々に取っては以前より業務量が増し、そのための費用と時間が必要になったので、上がったと言うより、より明確になったと言うのが正しい理解のように思います。
しかし現実はどうか、と考えると少々覚束ないです。
我々、特に小事務所にとって、頼りの国交省お墨付きの基準が現実には機能してこなかったのは周知の通りです。こういう基準より従来の慣例や過剰な競争に振回され、全く低い評価で仕事をして来たと言うのがこちら側の実感なんです。

ちなみに正当な評価と言う意味で建築士会の雑誌「建築士」に掲載されてた試算を紹介しますと。
詳細設計の必要な戸建て住宅150uの標準業務量は工事監理まで全て含めると、1,054時間相当、約130人・日で経費を直接人件費と同額とした場合、技術料別で設計監理料は概ね700万円。
今までの慣例で多いと思われるのは工事費の10%が目安(これは告示1206号の基準から結構下回っています)ですので、それから比べると(坪単価75万相当の工事費として)ほぼ2倍に近い数字が新基準となるのです。

さていかがでしょうか、クライアントのみなさま。
これからは法改正の内容にこの件を加えて説明申上げますので、なにとぞご理解賜りますようよろしくお願い致します。

09.03.03
09.03.05一部修正