■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。 

09.11:水都大阪を体験しました

Osaka-Vein

東京六本木の六本木ヒルズがオープンしたとき、そのオープニングイベントとして開催された東京都市展で「TOKYO-VEIN 東京静脈」というフィルムが上映されたらしい。
その時は知らなかったが後にそれが押井守監督の監修と聞き、ネットで調べたら次のようなコピーに遭遇した。
「東京の表層を縦横に結線する鉄道や高架道路や通信網が都市に血流を循環させる動脈だとするなら都市の老廃物を回収し、排出する静脈もまた存在する」(by 押井守)
この一文に魅せられ迷わずDVDを取り寄せた。
フィルムは神田川を船に乗り、ゆっくり、ゆらゆらと東京を見るものだ。川の水はお世辞にも美しいと言えず、廻りのコンクリート護岸や高速道路の鉄骨などは汚れてきたなく、晴れやかな表の東京が意図あって隠して来た裏の東京を見ている感じでもある。しかしそれは上述のコピーの如くまさしく生命体の体内を巡るようで、何かがひそひそと蠢いてる、そんな感覚を呼び起こすものであった。

先日「御舟かもめ」という大阪の川を巡る観光船に乗ってきました。水都大阪のイベントに併せてオープンしたようで、最大9人定員の小さな船ですが、建築家の設計による上屋デザインに加え、朝食コースやナイトクルージングなどいろんなメニューが用意されてるのが魅力の船です。
天満の八軒家浜から湊町まで90分、それはまったくTOKYO-VEINを思い起こさせた体験でした。いやOsaka-Wein(これは私の勝手な命名です)はそれ以上に表も裏も味わえるより贅沢なものでした。

 
東横堀川と道頓堀川

並木が美しい大川や堂々と風格のある中之島辺りをゆらゆらした後、船は東横堀川へ。暗く高速下の陰湿な雰囲気はまさにTOKYO-VEINの世界でこの南行きの時間帯はゾクゾクとしました。
その後船は西へ回転しネオンまばゆい道頓堀へ。この対比がまた鮮やかで強烈な印象を残し、都市の魅力、都市の面白さ、そんな事を考えるきっかけを作ってくれます。みなさまも一度乗られてはいかがですか?
絶対楽しめると思います。

「御舟かもめ」のHPは次の通り
http://ofune-camome.net/

09.11.04