■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。 

11.12:師走突入

被災地を巡る

遅ればせながら先月やっと被災地を廻ってきました。仙台から海岸沿いを釜石まで、二日の行程です。
すでにあの日から8ヶ月弱、道路状況は全く問題なくレンタカー付属のナビを頼りにスムースに廻れたと思います。
行くまでにいろんな記事や写真を見ているのですが、誰もがおっしゃるようにその場に立つとまた違う感覚、感情が沸き上がります。
カオスの状況はかなり緩和され街は奇麗になってましたが、部分的に残るその姿を目にすると思わず慟哭のような感情に襲われ言葉を失います。


石巻

車を走らせているとその光景は突然現れます。土地の高低差など、地形が引き起こす何たる不平等と言いますか、境目がはっきり分かると余計涙が流れます。
見た事のないようなシュールな光景に身体や思考が一旦停止し、一種の錯乱状態に陥るような感覚です。
南三陸や陸前高田は何もありませんでした。既に奇麗に片付けられ一画にがれきの山が見えるものの次のステップへ着実に進んでると言えなくありません。
しかしこの何も無いという空虚感、これがこんなにも哀しいとは思いませんでした。
家も道も生活も何もない土埃の状態。戦争時の焼け野原を形容した記述が思い出されます。こんな状態から立上がって来たのかと。


陸前高田

ちょうど昨日届いた新建築誌2011.12月号では震災に応急対応してきた仮説建築が特集されてました。各地でいろんなかたちでみんなが立ち向かってると感じます。私もいま防災を含めて街や都市のあり方をもう一度考える機会に恵まれています。これをどういう成果に繋げることができるか、この大きな輪の一つに加わることができればと思います。

11.12.01