■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。 

12.07:梅雨の合間に猛暑の予感、いろいろいやなことが多いです。

中央と地方

取り立てて言うのが少し恥ずかしい内容ですが、以前テレビのフリップで、一人、あーそう言うことだったのか、と納得して見たものがありました。
それは(何度か引き合いに出す)サンデーモーニング放送(11.12.25)のもので、戦後日本の高度成長を中央と地方の構図で整理した、小学校の教科書をイメージさせるような簡単な図表で、東京や大阪といった大都市の成長が実は地方に支えられていた、というものでした。

中央
都市化
工業化
成長
エネルギー
震災
原発事故
地方
過疎化
高齢化
病弊
原発

みんなが成長して豊かになったのではなく、我々の生活は地方の人の支えの上に成り立っていた。この事実にいまさらながら気づかされた瞬間でした。
これらの言葉の背後には、農業、漁業、林業と我々の食や住を支えて来たものの荒廃が含まれるのは言うまでもありません。

先日読んだ隈さんの文章も刺激的です。(一部要約)
「3.11で歴史の流れが反転したと感じた。一言で言えば東京中心主義の時代が終わったと感じたからです。都市中心主義、あるいは都市主義と言い換えた方が良いかもしれません。その本質は都市という中心から地方へとすべてが流れることです。技術、文化、経済、すべてが都市から地方という周縁へ流れます。地方は都市に隷属し、収奪され、破壊されていくのです」

振返ればいろんな人がこのことに警鐘を鳴らされてきたに違いありません。でも修正できずにここまできた。いや気づいても修正できないシステムの中にいる、が正解か。もっと恐いのは知らず知らずこの延長線上でしかものごとを考えられなくなってる可能性だ。
今まで正しいと思って培ってきたやり方や考えはその人が気づかない以上に体内に染込んでしまってる、そんなことを聞いたような気もします。
ひょっとしたら自分もか。そう考えると恐い。

12.07.02