13.04:頭が古いだけかもしれません

最近思うこと

以前紹介した「新ええとこ」コンクールのテーマはリアルなコミュニケーションでした。

時間空間を共有する。その時その場所に共にいること、それが人を繋げ支えていく。

もちろんいろんな状況、多様な集まりの場所が考えられます。
誰か一人特別な人、たとえば優れた人や面白い人がいれば、その人の周りに人が集まり交流が始まっていく。はたまたいろんなイベントやアートのインスタレーションのようにほんのひと時の出来事でも人々を強く惹き付ける力を持つ。そしてまだまだ進化する情報テクノロジーやソーシャルメデイアは瞬時に多くの人を繋ぎ「友達」を増やしていく。
しかしそれらはそのときで終わる。あるいは一瞬で消える。

集まり繋がる場所はいろんな所にあって欲しい、そして長くあってほしい。なくなってほしくない。
だからこそ建築を求めてしまう。一人の人間が生きる時間軸を大きく越える存在として建築を構想してしまう。
そういう頭を揺さぶられて2年。

話題の「みんなの家」。
その検討過程で救援物資に屋根を掛ける乾さんの提案に目を見張った。一瞬のうちにみんなの輪、支援の輪、人の繋がりを表現してしまった。
そして最後に建築家たちは柱を立てた。自立、自分で立つ。津波に浸かった木々は何とも象徴的だ。

屋根と柱。
考えてみれば建築の要素というのはきわめて単純で古くから何も変わらない。
ここに改めて建築の力を見ました。そして建築が存在する場所の力をさらに掘り起こしていきたい、そのような思いを新たにしました。

*3人のアーチストシリーズ3は次回に廻しました。

13.04.01
一部修正13.05.01