14.07:ちょっと面白い建物です

武家屋敷

先日古民家を見て廻るなかで興味深い建物を見る機会がありました。
既にニックネームがついておりそれは武家屋敷。
アクセスの路は狭いけど敷地は大きく塀で囲まれており外観の印象はこの塀の上に瓦屋根が見える古民家特有なもので、黒々として堂々と威厳がありまさに武家屋敷のイメージだ。
しかし門から塀の中に入ると少し印象が変わる。実際は武家ではなく明治時代の大きな商家らしく、門から庭を通り玄関土間へ入る。土間は奥にかまどがあり上は吹抜け黒く太い梁がタテヨコに勇ましい。ここまでは大きな立派な民家と変わらないのだが

 

土間から主室を見ると特徴が分かる。一面一様に畳なのである。
これは図面を見ると一目瞭然。幾重にも重なるふすまを順にあけて奥に到達するお殿様のイメージも浮かぶがよく見るとちょっと違う。特にヒエラルキーがなく大きな家全面が同じように畳みなのである。基本8畳の間がタテヨコ並列し埋め尽くされている。こんなの見たことがありません。また畳の部分はほとんど総2階でその分重心が低くその力で庭へと視線が追いやられる感じです。またこの2階も全面畳なのです。

 

突然ですがミースのユニバーサルスペースを思い出しました。建物内部は一様に均質で何処までも続いて行く均質空間。それともう一つ田の字型の民家プラン。田の字型を民家の最低ユニットと考えた時、規模を大きくして行くとこういうことになっていくのか。日本の民家はその根本にこういうミースの近代空間に繋がる特質を備えていたのでしょうか?
8畳あるいは6畳で間取りされてる分、ふすまの開け閉めで繋がったり区切られたり、まさに融通無碍で、実際的にも使い勝手が良さそうです。
しかしその実際がどのように使われていたのか想像がつきません。
ちょっと勉強してみます。
が、もしご存知の方がおられましたらご教示のほどよろしくお願い致します。

*なおこの建物は次のところで不動産物件として取扱されています。
明石屋不動産
http://www.akasiya2000.com/

14.07.01