15.09:秋に入りましたね

だれも知らない建築の話

今年も暑い夏でした。もう過酷と言っていい日本の夏、大阪の夏。避暑とばかりに映画を見てきました。そのタイトルが「だれも知らない建築の話」。
ご存知とは思いますが2014年のベネチアビエンナーレに出品され大きな話題を呼んだものを一般向けに編集したものらしい。
1970年代から現在へ至る日本の状況を背景にいろんなスター建築家たちがインタビューに答えている。それぞれが単独に話している映像が編集されて掛け合いのようになってるところが大変良くできておりドキュメンタリーというより映画を見てる興奮感がある。

建築家たちが淡々と当時の状況や思いを語るなかバックにはその時話題になった建築の写真が差し込まれる。また「P3会議」と呼ばれる全世界の建築家が集まる国際会議にあのアンドーやイトーが新人として紹介されたなど、年代を追いながら裏話を聞くように改めて建築の潮流を学習できて大変面白い。そして相変わらず存在感の大きさを感じた磯崎さん。
日本の建築を建築家を海外に紹介しその後のグローバル化の仕掛人はやはり磯崎さんのようだ。怪しいとは思ってましたが映画ではますます怪しいですね(笑)

でも全編を通じて放たれる大きな疑問、建築家は必要とされているのか?
経済主導で大型化し複雑化する建築物。建築家の手によるものはほんの2%程度らしい。さらに被災地の復興の現場、あるいはどうなる国立競技場。
コールハウスの一言が忘れられない。
「東京を訪れて建築家の顔の見えない建物に感銘を受けた。それらは正しい時間に正しい光が差し込んで来た」
そんな言葉だった。

15.09.02