16.03:5年目となりました

5年目

一度どんな状況なのか見ておきたいと思いながら5年が経ってしまった。3月が近づくといろんなメデイアが現在の様子を伝えてくれるが、それらを見て読んで、何とも言えない挫折感がこみ上げてくる。日経アーキ16.03.10号のタイトル「建築の挫折」そのままである。
「建築界は信頼されなかった」「建築は頑張ったが土木にしてやられた」「目線が住民と一体になり行政とのつなぎ役ではなく対立構造になってしまった」・・・
復興後の環境の質が問われる前に安く早くが優先される現実。
「復興の仕組みを理解せよ」「建築家はもっと法律を勉強しておく必要がある」の指摘はぐさっと刺さる。
建築と土木、建築と都市計画、といった言い方のように、今まで違う領域だと思ってきた意識そのものがこの建築界の弱さをつくってしまったのだろうか。
以前見た陸前高田市のベルトコンベヤーの写真、今回の南三陸町の防災庁舎を取り囲む土盛りの山の写真、何ともショックな光景である。
街の復興と言うイメージからはほど遠い。
元の街の姿を潰すようなかたちで区画整理され碁盤の目の道路が整備されても人がそこに戻ってこない、そんな悲しいことが現実になるかもしれない。
次が来る前にどうしておかねばならないのか、大きな課題を再認識させられた5年目となりました。

16.03.18