18.04:桜満開!

都市のふるさと

今や都市に生まれ都市で育つ人は当たり前のことだろう。
都市の住まいとなると、統計的な数字がないけれど多くの人が所有、賃貸にかかわらずアパートやマンションで暮らしてると考えられ、そういう集合住居がその人の実家であり故郷と言えるのだろう。

私の年代では、故郷とはどちらかといえば田舎にあり、日々変化し拡大する都市と対照的に変わらずにそこにあるもの、といったイメージが強い。山や川といった自然要素も多分に影響してると思われる。
しかし今や都市の住まいは若い世代の仮住まいではなく、そこに家族が居を構える両親の住む家であり、里帰りする場所であり、家族が集まる、いわゆる「ふるさと」ということになるだろう。

果たして今の都市住居はそういう場所として相応しいと言えるだろうか。
それとも「ふるさと」という概念が変わってしまってるのだろうか。

かつてノマドという言い方があり、当時は「定住しない」飄々と軽やかに都市を渡り住む自由なイメージが強かったが、現在は家族の原点ともなる「帰るべき場所がない」という喪失感を感じてしまう。

都市ではまだまだマンション建設が活発に行われている。その形式は一様なワンルームや小規模ユニットが並列するものが多く特に進化したようには見えない。
経済最優先社会は未だ健在で(実際はどうかなとも思いますが・・・)「ふるさと」などというセンチメンタルなつぶやきは一蹴されてしまいそうだが、もうそろそろ新しい都市の住まいを見たいものである。

18.04.01