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19.07:やっと梅雨が始まりました

カタログ

建築の設計を始めた頃はカタログ(印刷物)はなくてはならないものだった。それはもちろん今現在利用できる商品を知り、その良し悪しを判断し、その物件に最適な一品を見つけるためだった。そしてそれは設計作業の中でかなりのウェイトを持ち、カタログを取り寄せ整理するのは小事務所にとっては実に大変な作業であった。しかし当時から、特に家造りの現場に対して、既製品のアッセンブリーで事足るのか、と批判的な意見があったのはよく覚えている。しかし批判にもかかわらず、家ごと既製品にしてしまうハウスメーカー、ある会社の住宅建材カタログ1冊で家をまかなう建売住宅、時代はそれらを住宅産業として主流に押し上げた。

しかし家造りもものづくりに変わりなく、職人が丁寧に一つ一つ創り上げていくことの価値は非常に大きい。
今の建築は手造りと高度に規格化された工業製品とのコラボレーションであり、その加減は設計者(建築家)の力量に委ねられている。
新しい技術が開発されそれが反映された商品や既製品は現代建築には必須であり、それによって建築の性能が確保されている。反面、そのことばかりが強調され地域などに残る手造りの営みが消されて行こうとする。産業化される建築と手造りの価値を残す建築、どちらも今の社会と繋がり育まれるべきものであろう。

前置きが長くなりましたが(笑)

先日のリノベーションにおいても商品探しは重要ポイントだった。しかしタイミング悪く事務所の大整理を始めたこともあって昔から苦労して集めたカタログはすでに廃棄してしまった。それよりも今はWEBカタログである。当然である、そういう時代だ。それもあって印刷物カタログは廃棄しても大丈夫だと思っていたが違った。
皆さんはWEBカタログ大丈夫ですか?見て選べますか?
確かに思いついたらメーカー名など分からずともすぐに何かしらは見つけ得る。しかしパソコン画面での見難いこと見難いこと。世代の問題かもしれないけど、Adobe Flash Player のバージョンの違いも絡んで誠に使いづらい。おかげでまたもやせっせと印刷物カタログ集めが始まり、空になった書棚がまたまた埋まってきてしまった。

19.07.02