91.12.09:帰国-1
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91.12.09(月) BARCELONA、機内

出発まで少々時間があったが、どうも風邪を誰かからもらったらしく、体調悪し。ホテルの周りをぶらっとしたのみ。 いよいよ帰路に着く。
イスタンブールに始り、バルセロナまで、かなりの時間を移動に費やした旅程であったが、イスラムの世界を走り抜けたエキサイティングな2週間であった。特に事故も怪我もなく過せた事はありがたい。

バルセロナ空港ではボフィール設計のターミナルビル(数本の柱で巨大な空間を覆っている大味な建物)で手続を済まし、13:10発のLH1881便に乗込む。 まずフランクフルトまで約2時間。(1時間50分) フランクフルトから香港まで約12時間。(LH742便でこの日は早く着き11時間10分) 香港から大阪まで約3時間。(2時間50分) 行きより少々楽と言えど17時間のフライト。待ち時間も合わせれば、バルセロナから大阪まで20時間もの長旅である。

機内では余り眠れず、この2週間の事をあれやこれやと考えた。 どこまでこの論旨が正確かはわからず、推測を加えて述べていく事になるが、近代になって移動、輸送のシステムが都市をつまらなくした、と前に述べたと思う。 人が集り、物や情報が集中するに連れ、人が歩き、ロバや馬が通るだけの道路に、馬車が走り、そして車や鉄道が走るようになり都市は骨格の変更を迫られる事になる。 ある程度の規模までは、今まで培ってきた体系を崩す事無く処理する事ができたようだ。

フェズのメディナやイタリア、アッシジ等の山岳都市、ベニスなど、集落、村、あるいは街と言ったレベルまでは多くの魅力的な事例が今も残っている。 しかしある一線を超えようとしたとき、如何に古くからある良き部分を拡大するかについての叡知が求められたとしても、都市は自らを拡大させるがために自らの身体を切刻むか、あるいは別の術が必要となったようだ。

今回見てきた中では、FEZは自らの中に増幅するシステムを持っていたにも関わらず、別に新市街地を造っている。BARCELONAも旧市街地を取囲むように拡張地区を造った。 どちらも古き良き部分を拡大させ得ず、ある枠の中に封じ込める事によって、都市の拡大を図ろうとした。
新しい部分には道路など立派な基盤施設が整備されたが、そこに旧市街地にあるような魅力を見いだすのは難しい。
都市の魅力は時と共に様々な分脈が重なり合って生れてくる、とすれば、もう少し時を待たねば一概には言えないだろうが、新旧の差は余りにも大きい。

その差は、都市全体を俯瞰的に見た上で秩序体系を構築するか、その中に立ち、自分の身体を通して秩序を求めていくかの違いなのだろうと思う。 それは知性で理解するか、感性で理解するかの違いと言っても良い。
旅の途中で感じたイスタンブールとフランクフルトの違いもこの点にあるのだろう。

果してどちらが豊かさにつながるものなのか。

マスタープランと言う言葉に代表されるように近代の計画理論は主に外から、あるいは上からと言ったように、対象物からできるだけ離れた視点からアプローチしてきたように思う。それはその中に立つ身体からは見渡せないもの、見えないものまで見てしまおうとする態度であった。 しかし見えるのはあくまで航空写真や地図の上だけであり、都市の中に身を於けばただ単に境界線上をさまようのみで、自分がどこにいるのか、地図やサインがないと確認できないのだ。
見えていた足元が見えなくなってしまったのだ。
一人一人が自分の生活を営む領域を形成しようにもその手がかりが失われてしまったのである。

キャラウィン・モスク
FEZ

 

 

ゴチック地区
BARCELONA

 

 

Fez El Bali
FEZ

 

 

 

 

 

 

 

 

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Last Update 00.06.17