21.02:久々のわたすき
わたすき2
久々に「わたすき」を書いてみようと先日見に行った「なら100年会館」の写真を探してると以前ここでも書いたことに気がついた。見返すと07.04なので14年前です。書いた内容は今でも同感で、それって進歩してないのかな、と一抹の不安も感じますが、JR駅前に力強くたおやかに建ってました。
今回またここに惹かれた理由は多分ふたつ。
1つは磯崎さんの「日本の建築遺産12選」を読み古代から現代までの日本の建築に連なる「垂直の構築」と「水平の構築」の2つの意志(”建築とは構築する意志である”という氏の一文を借りて)によって日本的なるものが私的に整理できないかと思ったこと。
2つ目は奈良に住み始め奈良の建物を見て回る中で、優れた現代建築には遭遇しないこともありますが、心を揺さぶられるのは飛鳥や平城の古代の建築群。
それらのモニュメンタルな建築の柱の垂直性、梁、架構の水平性、その力強さや優美さに惹かれたこと。
これらが合わさって100年会館に足を運ばせました。
以前から思っていたあの形のイメージはどこから来たんだろう。
タテへ伸びる力、ヨコへ伸びる力、それらがとんがって行くのではなく力を諌めるように丸くなり優しく納まっていく。自然の中でまた時間の流れの中で何かが淘汰されていくようにまあるくまとまっていく形。そこに人の手によってアプローチが切り込まれる不思議で雅やかな造形。もちろん内部はホールを3っつ納めるという大変難しいプログラムのはずだが形を崩さずにさらっと収められている。
建築家の力量が思う存分発揮された名作だと思います。
20.02.05
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