23.12:いよいよ厳しい寒さが来そうです。

二つの建築祭

昨今の建築ブームの牽引役となった大阪の「生きた建築ミュージアム」。それに続いて昨年「京都モダン建築祭」が始まり今年は「神戸モダン建築祭」とついに関西は三役揃い踏みとなり毎年この季節は楽しみとなった。

今年は京都と神戸を訪問。
どちらも概ね半日コースなので3つ4つ見れれば良い方だ。
京都は足回りの良い京都市役所周りを散策。市役所は昭和初期の営繕課設計(武田五一監修)の左右対称のクラシカルな建物で初めて入った。この時期の近代建築には時代特有の装飾的な細部があるがここも然り。何度か改修されてるようだが今は黒で引き締まったインテリアが効果的だった。あと印象的だったのはヴォーリスの御幸町教会。ローコストで実現された簡素で慎ましやかな建物がいかに愛されてきたか案内役の方々の説明や表情から窺えました。

 

神戸は神戸港周辺へ。
港町神戸。知ってるようであまり知らなかったと実感。そう思ったのは「神戸港第4突堤Q2上屋」を見ての感想。昭和初期に建てられた外国への客船と鉄道の巨大なターミナル建築。ここを多くの人や物が通過していった歴史を案内役の方から聞き大変興味を持ちました。
現在は朽ちて汚れたコンクリートの構造物であるが随所に丸窓やR状の装飾的細部が施され、一瞬その時の賑わいが頭をよぎる瞬間があり、こういうところが建築の面白いところ。
調べてみるとこちらも営繕の設計。削ぎ落とされたコンクリートの近代合理主義建築に可能なかぎり表情を持たせようとした設計者の心を感じ、なんとか再生の道はないものかと感じた建物でした。

今年も早12月、1年お読みいただきありがとうございます。コロナやインフルエンザがまだ不透明ですがみなさまご自愛の上良いお年をお迎えください。(少し早いですが)23.12.01