24.04:やっと春めいてきました。

青いお仏像

例年、桜の春と紅葉の秋に奈良吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)では「秘仏本尊特別ご開帳」が行われ、今年は3/23日から始まっています。
秘仏とは写真で見てもギョッとするような青いお仏像(金剛蔵王大権現)で一度見たいと思っており先日行ってきました。


目指すは吉野の山。
吉野は川沿いの材木屋さんや木工屋さんへは幾度か足を運びましたが山の方は初めてです。ロープウェイはあるものの道中はまさに山登り。
最初に目に入る北門(仁王門)は残念ながら足場シートに覆われ姿は見えず。そこを迂回する車道を登りご本尊のある蔵王堂へ。門は北から入るが蔵王堂には南からアクセスする。
蔵王堂に着くと分かるがさらに南方向へ参道のように尾根道が続いている。
この辺り一帯は古く(飛鳥時代)から修験道の聖地で、景色は大変美しいが今も厳しい修行の場として役行者たちの中心を担うのがこのお堂だそうだ。

蔵王堂はまずその大きさにびっくり。東大寺大仏殿に次ぐ2番目の大きさだそうで単層裳階付(*)、桧皮葺の入母屋造りの壮大なお堂。屋根の組物は3手の上の4手組。
その豪壮な印象そのままの内部空間、特に柱に圧倒される。幹周り2mを超えるような巨大な柱が、神代杉や梨などのいろんな木材で自然の原木の形状のまま使われている。
そして本堂に並ぶ3体のご本尊(中央に釈迦如来、右手に千手観音、左手に弥勒菩薩)は三者三様に青く怖く、まさに秘仏にふさわしい迫力で圧倒的な存在感でした。
修験道という考え方を理解せずに何か言うのはおこがましいのですが、山に登り自然の美しさや厳しさに身を置くことでしか体得できない超越的な存在を圧倒的なスケールで表現する、そういう形を見たような気がしました。
ご開帳は5月6日までです。

(*)パンフレットでは「単層裳階(もこし)」という表現です。下屋部分は四面廂に見えますが裳階なんでしょうか。
24.04.01