25.09:9月になっても暑さは容赦なく、これは異常です。
商業建築
先日届いたTOTO通信の馬場正尊氏「ブランデイングを担う建築リノベ」のインタビュー記事を興味深く読みました。
氏はリノベーションの第1人者ですが、約30年前最初のきっかけは大阪の船場や堀江のショップデザインにあったと言われます。
確かに街中の小さなアパレルや雑貨屋のショップは「これで良いのか?」と思うほど大胆で自由なリノベーションが多く、日頃常道のディテールを求めようとする者には非常に斬新で、羨ましさや戸惑いなど複雑な思いがするものが多い。
でもこのインタビューを読むと、それは設計者やデザイナーがその時のクライアントの要求やその場所の状況を踏まえ素直に答えた結果であり、ローコスト(多くの場合、多分そう)で社会に役立つ最適解を提供していたと言えるのでしょう。
そういう小さな仕事が知られるようになったその背景にはメディアの変化、つまりインターネットの登場があり、資本力のある大企業のみならず中小企業や個人が自分の建物を容易にメディア化することができ、大きな建物のインパクトと同列に小さなキレのあるデザインがネット上に並べられる状況になったと言われる。
確かにそうなんだと思いました。
何気なくふと目にする斬新なデザインに惹かれついつい足を運んでしまうことがあります。そうしてまた一人、と人が集まってくる。
人が集まるとそこに公共性が生まれてくる。
「建築」として大上段に構えなくても社会のリアリティが反映された公共空間が芽生えるようになり、そのような視点で建築家が都市を考え、建築デザインの新しい潮流を築こうとしている。
商業建築や店舗建築は建築の歴史にあまり登場せず、私が建築を学び始めた頃は格下に見られていたと思いますが、インターネット、SNSはここにも大きく影響していたと気づきました。
25.09.01
25.09.02:一部修正 |